2025年に東京都内で開催される、おすすめ展覧会を特集。美術館、博物館、アートギャラリーなど、東京都内の文化施設での開催スケジュールを、開始日順にまとめている。会期や会場、チケット情報・観覧料などを紹介しているほか、各詳細からは展示アート作品を確認することも可能だ。人気の西洋絵画や現代アート、ファッション、建築、デザインなど、2025年に開催予定の展覧会の最新情報をいち早くチェックしてほしい。
東京都美術館で開催される展覧会「ミロ展」は、20世紀を代表する美術家ジュアン・ミロの大回顧展。第二次世界大戦の戦火を逃れつつ描かれた傑作「星座」シリーズの3点を筆頭に、絵画や陶芸、彫刻など、初期から晩年にいたる各時期の名品を世界中から集めて公開する。
「ミロ展」
会期:2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
観覧料:一般 2,300円、大学生・専門学校生 1,300円 ほか
東京国立近代美術館で開催される企画展「ヒルマ・アフ・クリント展」は、抽象絵画の先駆者とされるスウェーデン出身の画家、ヒルマ・アフ・クリントの回顧展。高さ3m超の大作《10の最大物》など、代表的な作品群「神殿のための絵画」を中心に、すべてが初来日となる約140点の作品を紹介する。
「ヒルマ・アフ・クリント展」
会期:2025年3月4日(火)〜6月15日(日)
会場:東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
観覧料:一般 2,300円、大学生 1,200円 ほか
東京の文化庁国立近現代建築資料館では、日本で開催されてきた万国博覧会にまつわる資料を公開する展覧会「日本の万国博覧会 1970-2005」を、2期にわたって開催。第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」では、とりわけ1970年の大阪万博に着目する一方、第2部「EXPO'75 以降 ひと・自然・環境へ」では、総合テーマの変化に伴う、会場計画や建築デザインの変容に光をあてる。
「日本の万国博覧会 1970-2005」
・第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」
会期:2025年3月8日(土)〜5月25日(日)
・第2部「EXPO'75 以降 ひと・自然・環境へ」
会期:2025年6月14日(土)〜8月31日(日)
会場:文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
観覧料:無料
東京・六本木の国立新美術館で開催される展覧会「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」では、戸建て住宅という住まいの革新が国際的に広がっていった、1920年代から1970年代にかけての展開を紹介。ル・コルビュジエやフランク・ゲーリーなどによる14邸の傑作を中心に、20世紀における住まいの革新をたどってゆく。
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」
会期:2025年3月19日(水)〜6月30日(月)
会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
観覧料:一般 1,800円、大学生 1,000円 ほか
東京の町田市立国際版画美術館で開催される企画展「日本の版画1200年—受けとめ、交わり、生まれ出る」は、約1,200年にわたる、日本の版画の展開を紹介する展覧会。他国との交流にも目を向けつつ、奈良時代における日本現存最古の印刷物から、浮世絵、創作版画、新版画、現代版画まで、約240点の作品を収蔵品から選りすぐって公開する。
「日本の版画1200年—受けとめ、交わり、生まれ出る」
会期:2025年3月20日(木・祝)〜6月15日(日)
会場:町田市立国際版画美術館(東京都町田市原町田4-28-1)
観覧料:一般 800円、高校・大学生 400円
エルメス(HERMÈS)財団が東京・銀座に展開する銀座メゾンエルメス フォーラムでは、展覧会「スペクトラム スペクトラム(Spektrum Spektrum)」を開催。ドイツ・ベルリンを拠点とするエマニュエル・カステランをはじめ、マリー・ローランサンや津田道子など、7人の美術家を取り上げ、真実と虚構の「あいだ」にある場所を立ち上がらせることを試みてゆく。
「スペクトラム スペクトラム」
会期:2025年3月20日(木・祝)~6月29日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5-4-1)
入場料:無料
東京の文化学園服飾博物館で開催される展覧会「どうしてなんだか似てる服」では、形や模様の類似性に着目しつつ、世界各地の衣服を紹介。同館の所蔵品のなかから約30か国の服や染織品を取り上げつつ、形や模様の共通性や理由、互いの地域の影響など、人々が衣服に込めた想いや意味を探ってゆく。
「どうしてなんだか似てる服」
会期:2025年4月3日(木)~6月21日(土)
会場:文化学園服飾博物館(東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 1F)
入館料:一般 1,000円、学生 500円
東京ステーションギャラリーで開催される展覧会「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」は、フィンランドデザインの三巨匠のひとり、タピオ・ヴィルカラの日本初となる大規模個展。ガラス製プロダクトをはじめ、木の彫刻やオブジェなど約300点が集結するほか、写真やドローイングなども展示する。
「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」
会期:2025年4月5日(土)~6月15日(日)
会場:東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
観覧料:一般 1,500円、高校・大学生 1,300円
東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で開催される展覧会「黒の奇跡・曜変天目の秘密」では、国宝《曜変天目(稲葉天目)》を筆頭に、静嘉堂が所蔵する中国の茶碗を一挙公開。また、黒い色彩の工芸をテーマに、刀剣や鉄鐔といった「黒鉄(くろがね)」と呼ばれる鉄の工芸品、「漆黒」の漆芸品も展示する。
「黒の奇跡・曜変天目の秘密」
会期:2025年4月5日(土)~6月22日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)(東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 1F)
入館料:一般 1,500円、高校・大学生 1,000円
東京・日本橋の三井記念美術館で開催される展覧会「国宝の名刀と甲冑・武者絵」では、同館の所蔵品より、国宝の短刀2点、《名物 日向正宗》と《名物 徳善院貞宗》をはじめとする刀剣を公開。あわせて、甲冑、武者を題材とした絵画や工芸品を展示するほか、特集展示では、近代に製作された三井家伝来の五月人形を、初めてまとめて公開する。
「国宝の名刀と甲冑・武者絵」
会期:2025年4月12日(土)〜6月15日(日)
会場:三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館 7F)
入館料:一般 1,200円、高校・大学生 700円
東京のパナソニック汐留美術館で開催される展覧会「PARALLEL MODE:オディロン・ルドンー光の夢、影の輝き」では、オディロン・ルドンの最初期から最晩年までの画業を紹介。世界有数のルドン・コレクションを誇る岐阜県美術館の所蔵品を軸に、約110点の木炭画、版画、パステル画、油彩画などを通して、ルドンの創作の全容に光をあてる。
「PARALLEL MODE:オディロン・ルドンー光の夢、影の輝き」
会期:2025年4月12日(土)~6月22日(日)
会場:パナソニック汐留美術館(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 4F)
入館料:一般 1,300円、高校・大学生 800円 ほか
東京・新宿のSOMPO美術館で開催される展覧会「藤田嗣治 —7つの情熱」では、エコール・ド・パリの代表的な画家・藤田嗣治の作品・資料約150点を一堂に集め、「女性」や「天国と天使」といった7つの視点を通して紹介。また、藤田が同時代に果たした役割にも目を向け、東郷青児や海老原喜之助など、藤田と関わりの深い日本人画家による作品も展示する。
「藤田嗣治 —7つの情熱」
会期:2025年4月12日(土)~6月22日(日)
会場:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)
観覧料:一般 1,800円 ほか
東京・虎ノ門の大倉集古館で開催される企画展「幽玄への誘い—能面・能装束の美」は、能と狂言に光をあてる展覧会。大倉集古館の所蔵作品を中心に、装束や面、横山大観の《夜桜》といった絵画などを紹介する。
「幽玄への誘い—能面・能装束の美」
会期:2025年4月15日(火)~6月29日(日)
会場:大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3 オークラ東京前)
観覧料:一般 1,000円、高校・大学生 800円
東京オペラシティアートギャラリーで開催される「LOVE ファッション—私を着がえるとき」展は、18世紀から現代までのファッションを通じて、装うことへの欲望、人間が服を着ることの意味を探る展覧会。18世紀の宮廷服をはじめ、川久保玲のコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)、クリスチャン・ディオールやジョン・ガリアーノによるディオール(DIOR)など、約130点の衣服や現代アート作品を紹介する。
「LOVE ファッション—私を着がえるとき」
会期:2025年4月16日(水)〜6月22日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
観覧料:一般 1,600円、高校・大学生 1,000円
東京国立博物館 平成館で開催される特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」は、喜多川歌麿や東洲斎写楽といった浮世絵師を見出した出版業者、「蔦重」こと蔦屋重三郎に着目しつつ、江戸の文化を紹介する展覧会。重要文化財の写楽筆《三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛》、歌麿筆《婦女人相十品 ポッピンを吹く娘》など、浮世絵の名品を含む約250件の作品を一堂に集めて展示する。
「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」
会期:2025年4月22日(火)〜6月15日(日)
会場:東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
観覧料:一般 2,100円、大学生 1,300円 ほか